【吹奏楽ナビ】#30 全国大会 1993年一般の部①

  • LINEで送る

皆さま、こんにちは。

2024年を迎えましたが、本年も皆様の音楽活動におけるコンテンツのひとつとなれるように出来る限りお伝えしてまいりますので、何卒よろしくお願い致します。

今回は、全国大会1993年一般の部の名演をご紹介します。以前の記事にもこの年の名演をいくつかご紹介しており、1993年一般の部は記憶に残る名演が多い印象ですが、その中で私の出身県である兵庫県の西宮市吹奏楽団の名演をご紹介します。

西宮市吹奏楽団

西宮市吹奏楽団は1964年に西宮市教育委員会によって設立された市民バンドで、これまでに全国大会に7回出場している兵庫県の名門バンドです。特に、楊 鴻泰(よう こうたい)さんが指揮者だった時代は全国大会三金を含む5回の全国大会金賞受賞(そのうち4回は1位の得点)という素晴らしすぎる成績を収めました。近年でも2019年に全国大会に出場したり、吹奏楽コンクール以外にも2018年にアンサンブルコンテスト全国大会にクラリネット8重奏が出場して金賞を受賞するなど、関西を代表する一般バンドの一つとして西宮市を中心に今も精力的に活動しています。

【名演紹介】西宮市吹奏楽団(93年)

テルプシコーレ
作曲:B.マーゴリス


全日本吹奏楽コンクール
1993年(第41回大会) 金賞
演奏:西宮市吹奏楽団
指揮:楊 鴻泰

テルプシコーレは、プレトリウスが編纂した舞曲集「テルプシコーレ」を素材として、アメリカの作曲家であるボブ・マーゴリスによって吹奏楽のための組曲として作曲された作品で、この演奏が全国大会初演となりました。全曲の演奏時間が約23分という曲をコンクール用に8分にカットしているのですが、このカットの構成が大変素晴らしいものとなっています。

第1曲《0:00~》は、ウィンドチャイムに導かれた素朴で美しいフルートソロ(原曲はテナーリコーダー)と金管アンサンブルとの掛け合いで始まり、雄大なテュッティでの演奏に繋がって曲が終わります。

打楽器に導かれて始まる第2曲《1:20~》は、金管セクションと木管セクションが交互に活躍していきます。1:55からのピッコロトランペットが印象的に決まり、2:09からの木管セクションの舞曲が時代に合った音楽性で美しく奏でられます。チャイムが鳴り響いて金管セクションの見せ場がやってきますが、張りのある音圧でパワー充分の雄大な音楽がホールに響き渡ります。

第3曲《4:24~》は木管楽器主体の軽快な舞曲ですが、4:37や4:50からの金管中低音セクションのリズム感の良さと技術力の高さがとても印象的です。

再び打楽器に導かれて始まる第4曲《5:42~》は、各セクションの見せ場が続いていきますが、どの楽器も技術力とアンサンブル力の高さが際立っています。6:38からユーフォニアムの見事なソロでプレトリウスのテルプシコーレといえばこの曲というぐらい有名な「ヴォルト」が始まり、最後に向けて勢いを増していきます。トランペットのハイトーンや高速パッセージが見事に決まり、最後にEs-durのハーモニーが美しく決まって曲が終わります。

あとがき

いかがでしたでしょうか。一般バンドならではの大人の音楽と確かな技術力の高さに、楊 鴻泰さんの指揮と音楽性が合わさった名演をご紹介しました。

最後までお読みいただきありがとうございました。また次回お会いしましょう。

wonavi_2023032401

塚本 啓理(つかもと けいすけ)
兵庫県出身。12歳より吹奏楽部でクラリネットを始める。
明石市立朝霧中学校、兵庫県立明石北高等学校、東京藝術大学音楽学部器楽科クラリネット専攻を経て、東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程を修了。
在学中に東京藝術大学室内楽定期演奏会に出演。
小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトⅩ「ヘンゼルとグレーテル」、Ⅺ「蝶々夫人」に出演。
これまでにクラリネットを藤井一男、村井祐児、山本正治、伊藤圭の各氏に、室内楽を四戸世紀、三界秀実の各氏に師事。
現在は、フリーランスのクラリネット奏者としてオーケストラや吹奏楽、室内楽の演奏活動をすると共に、後進の指導も精力的に行っている。

欲しい楽譜がきっと見つかる!

楽譜のことなら
『株式会社ミュージックエイト』

吹奏楽、金管バンド、器楽、ソロからアンサンブルまで
国内楽譜・輸入楽譜ともに豊富に取り揃えております。

ぜひ一度ご覧ください!


ご購入・お問合わせはこちら