皆さま、こんにちは。
東京でも雪が積もり、冬を感じる2月ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
2026年がメモリアルイヤーとなる作曲家に、生誕190年を迎えたレオ・ドリーブがいます。ドリーブの作品の中で最も有名なものといえば、バレエ音楽「コッペリア」ではないでしょうか。そこで今回は、バレエ音楽「コッペリア」の、吹奏楽コンクール全国大会での演奏をいくつかご紹介しようと思います。

バレエ音楽「コッペリア」
「コッペリア」は、E.T.A.ホフマンの小説「砂男」を原作とし、1870年にパリ・オペラ座で初演されたロマンティック・バレエです。音楽はフランス・バレエ音楽の父とも呼ばれるレオ・ドリーブによって作曲されました。
「コッペリア」のストーリーを簡単にご紹介しておきます。
発明家のコッペリウス博士の家の窓辺には、本を読む美少女コッペリアの姿がある。フランツは彼女のことが気になって仕方ない。フランツの婚約者スワニルダはやきもちを焼くものの興味津々。友人たちと人形たちが並んだコッペリウスの工房に忍び込む。そこでコッペリアも実は人形であることを発見するが、帰ってきたコッペリウスに見つかって追い出される。スワニルダは一人隠れてコッペリアに変装する。やはり忍び込んだフランツにコッペリウスは一服盛って眠らせ、彼の魂をコッペリアに乗り移そうとする。スワニルダは息を吹き込まれたコッペリアのふりをする。コッペリウスの騒動が一段落すると、恋人たちは村の広場で祝福され、結婚式を挙げる。
英国ロイヤル・バレエ&オペラ inシネマ ホームページ 上演作品案内 「コッペリア」 【ストーリー】より引用
中村学園女子高等学校 (1985年)
バレエ音楽「コッペリア」より
マズルカ、ワルツ、チャールダーシュ
作曲:L.ドリーブ 編曲:小長谷 宗一
全日本吹奏楽コンクール
1985年(第33回大会) 金賞
演奏:中村学園女子高等学校吹奏楽部
指揮:松澤 洋
私がバレエ音楽「コッペリア」を初めて聴いたのは、中村学園女子高校の演奏でした。小長谷宗一さんの編曲で、力強さが感じられるマズルカ、優雅なワルツ、爽快なチャールダーシュの順番のカットになっているのですが、タイプが違う舞曲の組み合わせが絶妙でコンクールでも聴き映えがすることから、この小長谷宗一さんの編曲版が広く演奏されていました。中村学園女子高校の演奏はとにかく一体感が素晴らしくて、一糸乱れぬとは正にこの演奏のことだと思います。
福岡県立嘉穂高等学校 (1986年)
バレエ音楽「コッペリア」より
前奏曲とマズルカ、ワルツ、チャールダーシュ
作曲:L.ドリーブ 編曲:小長谷 宗一
全日本吹奏楽コンクール
1986年(第34回大会) 金賞
演奏:福岡県立嘉穂高等学校吹奏楽部
指揮:竹森 正貢
福岡県立嘉穂高校の演奏は、ティンパニのロールに導かれたホルンセクションでの演奏で前奏曲が始まり、若さ溢れるアグレッシブなマズルカ、一体感があって美しいワルツ、テンポは落ち着き目ながらも攻めの音楽表現が魅力的なチャールダーシュと、かっこよさが際立つ演奏だと思います。
札幌吹奏楽団 (1987年)
バレエ音楽「コッペリア」より
ワルツ、チャールダーシュ
作曲:L.ドリーブ 編曲:小長谷 宗一
全日本吹奏楽コンクール
1987年(第35回大会) 金賞
演奏:札幌吹奏楽団
指揮:菅原 克弘
札幌吹奏楽団の演奏は、クラリネット・オーボエ・フルートと繋がっていく美しいソロ群から始まり、ワルツでは少し速めのテンポでありながらも大人ならではの落ち着いた音楽が魅力的です。チャールダーシュは勇壮で情熱的な序盤から始まって、落ち着いたテンポでアーティキュレーションが鮮明に聴き取れる大人の魅力が詰まった演奏になっています。
あとがき
いかがでしたでしょうか。ドリーブ作曲のバレエ音楽「コッペリア」の、コンクールでの名演をご紹介しました。
次回も同じくドリーブ作品から、吹奏楽コンクールでもよく演奏されていた、バレエ音楽「シルヴィア」をご紹介します。
最後までお読みいただきありがとうございました。また次回お会いしましょう。

塚本 啓理(つかもと けいすけ)
兵庫県出身。12歳より吹奏楽部でクラリネットを始める。
明石市立朝霧中学校、兵庫県立明石北高等学校、東京藝術大学音楽学部器楽科クラリネット専攻を経て、東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程を修了。
在学中に東京藝術大学室内楽定期演奏会に出演。
小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトⅩ「ヘンゼルとグレーテル」、Ⅺ「蝶々夫人」に出演。
これまでにクラリネットを藤井一男、村井祐児、山本正治、伊藤圭の各氏に、室内楽を四戸世紀、三界秀実の各氏に師事。
現在は、フリーランスのクラリネット奏者としてオーケストラや吹奏楽、室内楽の演奏活動をすると共に、後進の指導も精力的に行っている。

