吹奏楽やブラスバンドの指導の方にとって、吹奏楽とは?バンドとは?音楽とは?
全国の指導者の方々、 そして、バンド活動にがんばるメンバーたちへの応援の気持ちをこめて、現場の指導者の方の「声」をご紹介いたします。
※ミュージックエイトHPに掲載のコラム「私と吹奏楽」より引用
群馬県高崎市立八幡中学校吹奏楽部・新倉 公子先生にお話を伺いました。
部員数:男子4名 女子22名(※部員数は掲載当時のものです)
部のモットー:明るく楽しく
年々少人数化していく吹奏楽部の顧問をしています。全体の生徒数、そして学級数が減ってきている今、実際に年度当初、入部してくる1年生の数はここ数年、10名に満たないのが現状です。しかし、本校の場合は、途中から転部してくる生徒も毎年必ず出てきます。現在3年生に2名、2年生に1名、運動部から転部してきた生徒がいます
3年生のある男子は陸上部から転部してきました。陸上部でも練習に熱心に参加していたのですが、毎日のハードな練習になかなかついていけず、そこへきて部活動内での友人関係がうまくいかなくなってきたことをきっかけに、部活動を休みがちになってしまいました。お家の方も心配し、学校へも何度か相談に来られていたようですが、結局陸上部を退部、吹奏楽部の男子部員の誘いで、吹奏楽部に入部しました。テューバを担当することになり、入部当時の3年生がとてもよく面倒を見てくれました。
最初は楽譜もろくに読めないような状態でしたが、先輩や友達の助けも借りて、今では最初から吹奏楽部にいたかのように楽しく練習に励んでいます。もともと体も大きく陽気な性格なので、吹奏楽部全体の雰囲気も良くしてくれています。もともと運動が好きなためリズム感も良く、テューバとしての役目も立派に果たしてくれています。先日お母さんと話す機会がありましたが、本人も吹奏楽部に転部してから明るくなったとのことで、たいへん喜んでいらっしゃいました。もちろん、音楽的にみれば、年度途中からの練習で、技術的にもすぐには追いつかないので、その分手もかかります。全員が同じレベルであれば確かにスムースに進んでいくかもしれませんが、デコボコと進んでいくこともまた大事な道のりであると思っています。吹奏楽部員が減ってきている今、このような部員の存在も、いろいろな意味でとても重要なのです。
現在コンクールに向けて練習中。3年生引退後の少人数の部活動に少々不安を感じますが、ひとりひとりに目を向けられる良いチャンスと思い、ていねいに指導していきたいと思っています。