吹奏楽やブラスバンドの指導の方にとって、吹奏楽とは?バンドとは?音楽とは?
全国の指導者の方々、 そして、バンド活動にがんばるメンバーたちへの応援の気持ちをこめて、現場の指導者の方の「声」をご紹介いたします。
※ミュージックエイトHPに掲載のコラム「私と吹奏楽」より引用
徳島県徳島市立加茂名中学校吹奏楽部(マーチングバンド)・尾形 佳治先生にお話を伺いました。
部員数:男子 2 名 女子30名 計32名 ※部員数は掲載当時のものです。
部のモットー:感動のある音楽(響き)を求めて
私は、現在まで21年教師をしております。最初の1年目2年目は吹奏楽の指導をさせていただきましたが、その後は男子教員不足ということもあり、テニス等を教えておりました。
本校に務め、再び吹奏楽、マーチングバンドの指導に携わるようになって、今年で6年目になります。本校の吹奏楽部(マーチングバンド)は、過去に何度も全国大会に出場していますが、本校に転勤が決まってからは、果たして自分に務まるかどうか、葛藤の日々でした。私が吹奏楽やマーチングバンドの指導から相当の期間離れていたということと、それまで続いていた本校バンド活動の重み……。しかし、与えられた仕事は教師としてやりぬかなくてはならないと思い、本校マーチングバンドを引き継ぎました。
最近、音楽活動が学校教育から減っていますが、私は「音楽」はとても素晴らしいものだと思っております。特に、ひとりで奏するものより、大勢で奏する音楽は、その意味が何倍にもなってきます。現在、我が吹奏楽部(マーチングバンド)の部員は32人。1年生から3年生までひとりも欠けることなく、全員で演奏することこそが大切なことだと思っております。
しかし、決して多くない部員で音楽をつくらなくてはならないので、パート決めは大変です。生徒が懸命に続けてきたパートを違うパートに代えてもらわなければならないことも多々あります。30人ほどでつくりあげるための苦悩の選択なのです。たとえば、D.M.の生徒は本来バリサクでした。しかし、バリサク、そして「音楽」の楽しさを知っているからこそ、現在も続いているのでしょう。
音楽をつくっていくこと、32人でひとつになっていくことの意味と大切さは、私が思うより、子どもたちの方が数倍理解しています。「合奏」をすることの意味を充分理解してくれているのです。私はそんな彼らから学ぶことがたくさんあります。そして、これからもやらねばならないことがたくさんあると、痛感しております。